〜 「少年と天使の協奏曲」 〜

 

 

1 日常 

 

 

「申し開きはないな?」

 

「はい、ございません。」

 

 ダン ダン と裁判の判決を告げる、槌の音が響く。

 

「それでは、判決をもうしわたす。彼のものに一万年の幽閉の後、人間への転生を命ずる。」

 

「はい。」

 

 

―そして、時は流れ現在―

 

夢を見た昔の夢を。だが、俺は昔に裁判などを受けた覚えはない。では、なんだったのだろうあの夢は、醒め行く意識の中、俺は考えた。

 

ゆさ ゆさ ゆさ ゆさ 誰かが俺を揺すっている。

 

「・・・・ぃ・・ちゃ・・ん・・」

 

「お・・・に・・・ゃ・・ん・・」

 

「おにいちゃん!」

 

「ふにゃ?」

 

「「ふにゃ?」じゃないよ、もう朝だよ。おきてよ」

 

「なんだ〜?伊織か〜?」

 

「そうだよう、お・き・て」

 

「頼むあと、五分寝かせちくれ」

 

「だぁめだよ〜。ほぉらおきて」

 

バサ という音と共に、布団が剥ぎ取られた。

 

「さっ寒い、ふっ布団を」

 

「だ〜め!起きるの!」

 

「わかったよ。もう、あと五分ぐらい、いいじゃんかよ〜」

 

ブツクサ言いながら、やっと起きた、俺を呆れた表情で見ているのは、俺の妹の神坂 伊織だ。

長い黒髪を後ろで縛っていて、ロングポニーテールと言ったところか?リボンで結んでても髪が腰あたりまで来てるし。首にロケットを付けているあたりが可愛く見える。

 

「なに?お兄ちゃん?私の事じぃ〜と見て」

 

「いや、我か妹ながら、可愛い奴だな。」

 

「なっなに、言ってるのよ。お兄ちゃん」

 

そう言ってポッっと頬を赤らめる伊織

 

「誰に似たんだろうな。まあ、俺ではないな、親父か?違うよな。うん〜?、お袋か?いやありえん!」

 

そのとき、突如として頭に衝撃が走った、上から何かが落ちてきたのだ

「二人とも、さっさと下に下りて来るッサ!」と書かれた、ナベらしきもの(なぜ、ナベ?)が、見事に俺の頭にクリーンヒットしたらしい。誰がやった?ふっ、そんなのは決まっている。こんな事をするのは

奴しか居ない。そう、思うやいなや俺は、居間に走った。

 

「またか、おふくろ。朝っぱらから、夢の世界どころかあっちの世界に行くとこだったぞ」

 

「まっ、気にするなッサ」

 

そういって、何事も無かったかのようにお茶をすする、母。

 

「それより、あんた達早く飯食って、学校行かないと遅刻するッサ」

 

時計を見ると 7:20 家から学校までは、歩いて30分弱、朝食を取るとなるとギリギリだ。

 

「やべ!」

 

俺は、朝食のパンを手に大急ぎで伊織と共に家を出た。

 

 

あ!自己紹介が遅れましたが。俺の名前は、神坂 翼。ごく平凡(?)な高校二年生!

 

 

俺達は、走った。なぜなら、時間が無い〜だ!!!。朝、2度寝をぶっかまそうとしたせいで、登校時間が危ういからである。

 

「急げ、伊織」

 

「待ってよ〜。お兄ちゃん」

 

「待ってられるか!時間が無いんだ。」

 

「それは、お兄ちゃんが早く起きないからだよ!」

 

全速力で走りなりながら、あちらこちらからの視線を感じた。

 

「(またか?は〜!毎朝毎朝、嫌になる。)」

 

翼に、向けられる視線の訳は、俺の可愛い妹の伊織と一緒というのもあるが、どうも、俺の容姿が

見た目、美少女って感じのせいらしい。「(俺は、男だ〜〜!!!)」と心の中で叫んでは見たものの、空しいのでさっさと学校に向った。

 

 

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