プロローグ

 

☆ ☆ ☆

 

 桜が舞い散っていた。

 みどりが萌え始めていた。

 春休みが短いと、みな愚痴をこぼしていた。

 俺はそうでもなかった。とても長い春休みだった。

 高校入学。さぁ、新しい生活の始まりだ。

 しかしながら――記憶を消すのって、難しい。

 それが自分のことでも難しいし、大切な人が絡んでいたら尚更。

 いいよな。忘れなくても。

 大切なモノだったのだから。

 

 

 

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