No.9 (修正済)

2004/01/13(火) 01:51:19

少年アリス

 

プロローグ?

 

「おかぁさん、寝る前に本読んで〜」
ベットにから顔を出して母親にせがむ少年。
「あらあら、今日はどんなお話が良いかしら?」
訪ねる母
「んーとね、んーとね・・・[エイユウ]のお話が良い」
目をキラキラさせて言う少年。
「英雄、ね。そうねぇ・・・」


昔昔、この世界を揺るがす戦争が起こりました。
戦争の発端は何でもない些細な事だったそうです。
色々な国がいがみ合い、戦争は大きくなり、世界全体で大きな戦争になりました。
戦争では、色々な種族の者達が狩り出され、大勢の人が亡くなる血で血を洗う様な戦いだったそうです。
そんな中、国々が目を付けたのは[魔法]の存在でした。
魔法は異世界から異人を召喚する召喚師や、炎や水など自然の力を操る魔術師がいる。
そんな人を超えた人が戦場では、兵器として使われていた。

魔法使い達は大勢戦場に行き、そして、戦場で亡くなった。

そんな戦乱の時、ある3人が現れた。
三人には不思議な力を持っていた。
言葉が本当になる力。

彼等は、たった1日で戦争を止め、何時の間にか消えていったそうです。
彼らのことを皆こう呼ぶ。
[言術師]と。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「ん〜、今日も暖かいな」

テラス椅子に座る青年と言えばまだ幼い16、7歳程の少年は、ふと読書の手を休めて空を見上げる。
自分の家である館の周りにはたくさんの木々があり風に揺れていて、その真ん中にある大きな池の辺には小鳥たちが、さえずり周ってる。

ジリリリリン、ジリリリリン、ジリリ

そんな時家の中から電話が鳴る。
「電話か・・・」
椅子から立ち上がろうとした時、電話のベルが鳴り止む。
しばらくして、女性が家の中から現れる。

「ヤクラ様、ご依頼のお電話です」

 

No.10 (修正済)

2004/01/13(火) 23:09:52

進凛北

 

2〜

 

「誰から?」
「動のジークリードの友、知のジークリードだと言えばおわかりになると」
 女性の俊敏で的確な言葉に満足しながらも、電話の主に対しては嫌悪感を覚えた。
 また、何の用なのだろう?
 あいつに関わってろくな目に会うことは無い、ここ千年生きてきて、それは彼の持論であり、極論だった。
「知のジークリードの友、動のジークリードは居留守を使っているので居ない、と言っといてくれ」
「かしこまりました」
 女性はきびきびとした対応で電話に告げると、受話器と共に部屋を後にした。
 また優雅な時がやってくる。平和な時が守られた事を喜びながら紅茶を一口含んだ。家の周りにはたくさんの木々があり風に揺れていて、その真ん中にある大きな池の辺には小鳥たちが―――。
「ぶっ」
 ヤクラは紅茶を吐きそうになったが、寸での所で堪えた。気管に紅茶が入ったのかもしれない。ごほごほとむせ返りながらテラスに出ると、そいつを思い切り睨みつけた。
「やぁヤクラ。こっちから来てしまったよ」
 返って来たのは朗らかな、三十路のダンディーなヴォイス。
「居留守使ってるって言ったろ、腐れ理事長」
 ヤクラはこれ見よがしと悪態をついた。
 知のジークリードもとい、クルト魔術学園理事長 カール=ジークリードが、小鳥たちを従えて池の辺に佇んでいた。ヤクラの悪態も何のその、余裕たっぷりの表情を浮かべ、微笑んでいる。
 瞬間、カールの姿が消えた。ヤクラは頭を掻きながら部屋の中に戻る。表情は穏やかになったものの、やけにうるさい足音が彼の苛立ちを表している。
 ヤクラが椅子にどかりと座り込むと、目の前にカールが現れた。高度な言術、瞬移である。
「今日はナニ引っさげてきたんだ?」
「旧友に会いに来た……それでは駄目かい?」
「それだけで済むんだったら俺も歓迎だよ」
「はは、つれないね」
 カールは近くにあった椅子を引き寄せ、座る。
「ま、周知だと思うが、私は君に依頼を出しに来たんだ。それも―――」カールの緩んだ顔が急に引き締まる。
「危険度AAA、難易度AAAの依頼だよ」
 ――ああ、やっぱりまたろくな事じゃない。ヤクラの脳内に、そんな言葉が思い浮かんだ。

 

No.14 (修正済)

2004/01/14(水) 22:26:24

夜神

 

3話

 

「で、今回は何のようだ?前回のような依頼なら断らせてもらうが・・・」
俺はそう言った。それは何も、危険だったり怖かったりしたからではない。とんでもなくしょうもなかったからだ。
前回の依頼は53年前の夏の蒸し暑い雨の日だった。
ジトジトまとわりつくような空気の中、俺はドラゴンの世話を頼まれた。
ドラゴンは3クルート(魔術学院3年生)くらいになれば、面倒を見ることぐらいはできる。
しかし「無知のジークリード」ことカール・ジークリードは、わざわざ俺にその大役を任せてきた。
カールはドラゴンをペットとして飼っており、大きくなった子供の変わりに溺愛している。
旅行に行く際、魔術学校の生徒では信用できないと言い張って俺に押し付けて行った。
ドラゴンは慣れない俺に興奮したのか炎を吐いてくるし、クソは5トンもしやがるし、最悪な依頼だった。
それも2週間も。
2週間後、俺は5キロ痩せていた。


「まぁそう言うな。」
カールはソファーの上で飛びはねている。あんたいったい何歳だ?俺は不機嫌な顔をしながら依頼内容を聞いた。
「実はうちの生徒が一人誘拐された。」
言いながらソファーで飛び跳ねているカールを俺は蹴飛ばした。
カールはソファーの上から転げ落ちた用に見えた。がその瞬間、瞬移を使ってまたはねていた。
依頼内容はまともそうだな。
俺はさっき女性が運んできてくれた紅茶を飲みながら思った。
「その生徒というのは。うちの学校もっとも優秀な生徒で、将来は間違いなく言術師になるだろうといわれているほどの天才だ。」
言いながら、まだはねているカールを俺は睨んだ。
すると、ニカッとこちらに笑いかけてきた。
俺はさすがに怒りを覚え、言術を唱えようとした。
すると慌てて普通に座り誘拐された少女の写真を見せてきた。
言術師になれる生徒は素質を持っている生徒の中でも2%くらいなものだ。
しかし、この生徒はなるだろう。それも相当優秀な言術師に…俺はカールから見せられた写真を見て思った。
「それで犯人の要求は?」
「それは無い。今回は身代金目的じゃない。その素質を利用して悪用しようとしているんだろう・・・。」
カールは紅茶に砂糖を13杯、ミルクを7杯入れながらそう言った。紅茶は溢れて横にカップ1杯分くらいこぼれている
「・・・それを飲むのか?」
俺は甘いものは苦手なので、砂糖もミルクも入れない。
「ん?美味いぞ?」
とても飲めたものじゃないと思うが・・・。
「まぁいい。それで、誰が誘拐したのか見当はついているのか?」
「そのことなんだが・・・」
「しっ!!窓の外に誰かいる!!」
そう言った瞬間
ガッシャーン!!
と窓の割れる音がした。

 

No.17 (修正済)

2004/01/15(木) 17:52:18

Dの領域

 

4話

 

「さすが危険度AAA、難易度AAA……厄介だな」
愚痴るヤクラ。
「いや、それほどでも」
照れるカール。
「誉めてない」
つっこむヤクラ。
二人は十数人の男に取り囲まれていた。皆黒衣を纏い、両手にはナイフ。殺気立った眼で二人を見ている。
まったく、カールが来るとロクな事が無いな――ヤクラは小さく溜息をついた。兎に角この状況をどうにかしなくてはならない。
「取り敢えずこいつらを片付けるか……闘るぞ、カール!」
が、カールを見てヤクラはコケそうになった。敵に囲まれているというのに、彼は椅子に座り、先程と変わらぬ様子でコーヒーを片手にくつろいでいたのだ。
「おい!何してる!?」
「なあに、私が出るまでもない……君一人でも楽勝だよ。久しぶりに君の戦いもじっくり見たいしな」
そう言ってカールはニヤリと微笑った。
「まったく……俺はお前が戦ってるトコ見たことないっての。おいお前等、手加減はしないから覚悟しとけ」
次の瞬間、黒服達は一斉にヤクラに襲いかかってきた。そのスピードは凄まじい。しかし、ヤクラは全て無駄のない動きでかわす。そして敵の連携の中に生じる僅かなスキを見逃さず、反撃。急所を狙い打撃を入れ、相手を吹き飛ばした。
しかし敵の勢いは衰えず、再び素早い動きで飛びかかってくる。
「キリがない……部屋の中じゃ派手な術をぶっ放す事も出来ないしな……」
ヤクラはなるべくなら自分の部屋を壊したくなかった。もう既に窓は壊れてしまっていたが。
「確実に奴らを仕留め、部屋を傷つけないようにするには……」
敵の攻撃を避けつつ、ヤクラは精神を集中させた。
「レイスラスト!!」
ヤクラがそう叫ぶと、彼の周りに無数の光の槍が現れた。一本一本が眩しい輝きを放っている。レイスラスト、正式名称「閃光槍」。レイスラストは彼が勝手につけた名称である。
「全てを貫き、全てを裁け!!」
瞬間、何本もの軌跡を残し、光の槍が黒服達へと突き刺さった。そして全身から輝きを放ち、その場に倒れた。
「やれやれ……もう再起不能だろう……で、カール、こいつら何者なんだ?」

 

No.19 (修正済)

2004/01/15(木) 20:24:01

 

Re:多分5話(笑)

 

「誰と言われてもねぇ〜」
お手上げのポーズをとり、何となく何か隠しているように見える。
「はぁ・・・水鬼、そこに転がってる輩を森の外までお連れしてくれ」
先程電話を持ってきてくれた女性_____水鬼が彼らの前に現れる。
「かしこまりました」
彼等の襟首を持ち始める。
「あぁ、それと森の結界がどこか壊されたみたいだから直しておいてくれ」
実は先程の術は手加減はしていたので、意識障害がでる程度で、命には支障がない程度だ。そこが彼の優しさだったりする。
「かしこまりました」
そう言って、全員の襟首やら持ちやすい場所を持ち目の前から消える。

「水鬼ちゃん元気だね〜、ウチの焔ちゃんとは大違いだよ」
「焔鬼にやらせれば良いだろう、さっきの話」
焔鬼には悪いけどと思いながら言ってみる。
「焔ちゃんは今、聖王国にいるからダメだよ」
嫌味な笑みを向けて喋る。

「はぁ〜・・・報酬は?」
もうどうでも良い感じな投げやりに聞く。
「最近キミはある研究をしているだろう?その鍵になるアイテムでどうだい?」
「何でその事を・・・・」
「さてね?」
悪魔の笑み、見たものは皆そう思うだろう。彼はこう続ける。
「異世界からこちらの世界に呼ぶことは出来る。・・・一定の世界からはね。そして、キミの研究は我々が考えてる異世界とはまた違う異世界からの召喚。それと、異世界に行く力の研究だったな」
「その鍵を持ってると?お前が?」
怪しい・・・それがヤクラの意見だった。
「ボクは持ってないよ。持ってるのは彼女だ」
そう言って、先程の写真を指で指す。

 

No.21 (修正済)

2004/01/15(木) 22:07:24

夜神

 

第六話

 

翌朝、俺は朝食を取りながら昨日のことを考えていた。
あんな雑魚供のことではない。
まあ組織のことは気になるが…。
それよりカールのことだ。どうも騙されているような気がする。
仮に俺が依頼を受けたとしても、カールは何も損しないじゃないか。
アイツ上手く俺を乗せるために研究の事をだしにしただけじゃないのか?
あんにゃろう…クソッ、いい考えが浮かばねぇ。
カールが俺のことを「動のジークリード」と言ったとおり、俺は考えて行動するタイプではなく、先に行動して結果を残すタイプだ(一般人から言うとヤクラもかなり頭良い)
その点アイツは恐ろしく頭が切れる。
普段はバカだが、計算の速さと損得勘定はだれもかなわないだろう。
あいつの掌の上で踊らされているようで腹が立つ。
「僭越ながら、ヤクラ様。何かお悩みなら、クリス様にご相談になられてはいかがですか?」
ブツブツ言いながら食べている俺に対して、水鬼が言った。
「そうだな……」
クリス……クリストファー・ジークリードは心のジクリートと呼ばれている。
千年前のあの戦争は、俺とカールとクリスとで止めた。
3人の中である意味「最恐」を誇っている。
あの女なら少女を誘拐した組織のことも知っているかもしれない。
しかし、あいつに会うのも気が引けるなぁ……
でも背に腹は変えられぬと言うし……
「仕方が無いか。そうだな久しぶりにクリスに会いに行くか。」
俺はそう言って急いで朝食をかきこみ、出かける準備をした。
「水鬼、またお客さんらしき人を見たら昨日と同様、森の外にお連れしておいて。」
「分かりました。気を付けて行ってらっしゃいませ。」
それだけ言うと俺は意気揚揚…ではなく、とても暗い気持ちで出かけた。

 

No.22 (修正済)

2004/01/15(木) 23:36:58

少年アリス

 

7話かも(笑)

 

ヤクラは森の外に出て、竜の召喚をすることにした。
まず何もない空間に穴を空け、手を突っ込み、引っ張り出す。
「よう、無竜。元気だったか?」
大きな翼をもった竜に話し掛ける。
竜の中では、小型の竜。属性は無と重力。
知能は高く、小回りが利く。
「いきなり呼ばれて言うセリフじゃないと思うんですが・・・」
小心者の竜だったりもするが、戦闘に入ると頼もしい奴だ。
「悪い悪い、ちょっと聖王国まで飛んでもらいたいんだ」
「別に私じゃなくても良いのでは?」
上目遣いの竜は珍しい。
「今力使うと後々疲れるからな・・・頼む」
手を合わせ、お願いのポーズをとる。
「・・・分かりました、乗ってください」
「ありがとね」
渋々乗せる無竜。

聖王国、第13部隊の訓練中、彼等は現れた。
竜に乗った、黒のローブを羽織った少年だ。
第13部隊は訓練を中止し、各々剣や槍を構え、刃を不審者に向ける。
「何者ですか?」
この中では一番古株だろう人間がそう言う。
「騎士団長に用事があるのだが?通してもらおうか」
「何者でも国の中に竜を入れる者は通さぬ決まりでな」
そう言うなり矢が飛んでいく。
矢は少年の目の前で折れる。
「血の気が多いのは良くないな〜・・・・無竜、国の外で待っててくれ、直ぐ戻る」
「了解」
そう言うとヤクラが降りる前に飛び立った。
上空からヤクラが落ちてくる。
「迸れ!!赤き火柱よ!!」
そう言うと、13部隊がいる足元から火柱が4本聳え立つ。
何人かが、マトモに当たる。
悲鳴が聞える。
着地し、残っている兵を拾った剣で倒す。
「もっと鍛えろ〜、そんなんじゃ国民護れないぞ〜」
周囲は兵が倒れている。
火柱に当たった者は気絶してるだけのようだ。
「幻覚も見破れないのか・・・情けない」

「それは酷な話だろう?」
後ろから女性の声がした。

 

No.27

2004/01/17(土) 14:09:18

練習機載り

 

8話かと

 

「今では平和も平和、たまに下級モンスターが人里に降りてきたときに出動するくらいだからな。騎士団自体名義上の団体になってしまった」
妙に大人びた、というよりか女性らしからぬ言葉遣いをする少女が、すっかり伸びてしまった兵士を見て言う。
ヤクラはその他人事のような言い方に呆れてしまった。
「その騎士団を取り纏めるのがお前だろうがよ・・・クリス」
この少女が、三大英雄と呼ばれるヤクラ、カールとあとの一人、クリストファー・ジークリードである。
そして、長としては恥ずかしい筈であるこの様の前でさえも、自分が正しいとばかりに踏ん反り返っている。
「はっはっは。役職名だけはな・・・それに、再び戦が起ころうものなら、又我らで止めればよかろうが」
クリスは柔らかな微笑みを向け、軽々と言い放った。
ヤクラは今度こそ絶句した。


「で、態々私の処まで足を運んだということは、何か急ぎの用があるのだろう?」
クリスはヤクラが切羽詰っていると踏んでいる割には悠々とした態度で紅茶を口に運びながら訊ねた。
というのも、聖王国主要街道のとある大衆料理店でゆっくり聞こうではないかと彼女が提案したのだ。
クリスが言うに「カール曰く、密談は人ごみでせよ」であるそうなのだ。
ヤクラは静かな空間も好きだが、騒がしくとも活気溢れる場所も嫌いではないので、そこは気に留めなかった。
「ああ。しかもかなりヤバい」
そうして、周りの気配に注意しながらも順を追って説明していく。
経緯の大体を話し終えたところで、クリスからやんわりと静止が入った。
「成る程な。お前程の男が急く訳だ。それはおそらく、『黒の牙』」の仕業だろう」
聞いたことも無い名前の筈なのだが、ヤクラの脳裏に嫌な予感が過ぎった。
「『黒の牙?』」
クリスは「やはり知らぬか」と舌打ちし、それを補足する。
「表に現れたのはつい最近の事だ。しかし、随分と前より水面下で力を蓄えていたようでな・・・。私直属の諜報部でもお前の土地へと何かしにいった、としか分からなかった」
冷や汗が背中を伝うのがはっきりとヤクラには感じ取れた。
言術の持つ力は、絶対とも呼べる程に強大であり、決して悪用されぬよう監視すべきなのだ。
その卵を只のグループでなく、巨大な組織に捕らわれたとなれば、彼女に一体何をさせるのか予想できるものではない。
最悪の場合、悪夢が繰り返されることになる。

温くなったコーヒーを喉の乾きが収まるよう飲んだが、逆効果だったか余計に水が欲しくなった。
「せめて囚われている場所さえ解れば・・・」
「組織の居座る主要な街なら解ったばかりだ」
ヤクラはその回答に驚いてクリスを見たが、彼女の顔には苦々しい思いが表れていた。
「しかしな・・・」

 

No.30 (修正済)

2004/01/19(月) 00:52:44

少年アリス

 

9話(長いかな?)

 

「しかしな・・・そこは、帝・・・・・」
クリスが何かを言おうとした瞬間

シュゥゥゥゥゥ
・・・・・・・ドーン!!!!

大きな爆発音が聞える。

「・・・・・・」
「・・・・・・」
爆発音が聞えた方向から強力な魔力を感じた。


ヤクラ達が向かったのは、聖王国の住民達の交流の場として設けられている、広場だった。
そして、広場には赤紫の巨大な龍がいた。
無竜の10倍はあるだろう、龍の頭の上には赤いローブを身に纏った男性と、銀色の髪を持つ女性が立っていた。
対して、国称をローブに付けた者達が円を描く様に立っていた。

「魔法部隊か・・・」
クリスがぼやく様に言う。

魔法部隊
騎士団と同じく街の治安を護る者達の集団。
だが、主な仕事が政治的裏仕事ばかりなのであまり知られていない。

魔法部隊の前線の四人の振りかざした右手より、放たれる直径50cm程の炎の玉_____ケセド・フレイム。

龍に直撃するが、蚊でも刺されたかのような仕草をとる。
そして、龍の反撃。

魔法部隊の周りの空間が裂ける。
その中から、炎を身に纏った小さい竜達が現れる。
全部で10匹程空間から現れ、小竜達は同時に口を開き、炎を吐く。
十の方向からの炎の攻撃に、魔法部隊は慌ててシールドを張るが、意味はなかったのか、シールドを物ともせず、炎は通り抜け魔法部隊達に当たり、燃え上がる。

人間の焦げる臭いがした。

「弱いな」
「相手が強いんだよ!!」
冷静にクリスが言い、ヤクラがツッコミを入れる。

 

 

 

戻る

 

 

 

 

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