キリ番70000記念
HR(独り言ルーム)
遅くなりまして、真に申し訳ありません。
水茶さん、パート1、2が大分昔の作品であるため、今回は多少違ったノリになることをお許しください。
ギャグも寒いものになっている可能性が高いです。ご了承ください。
言い訳じゃありません。違いますって。ほんとですって。信じてぇっ。
チャリンコ奮闘記 part3(極でかっ)
果たして思い出すことができるだろうか。
これは豆野 雨梨(ずのうなし)十八歳性別男が繰り広げる、お笑い奮闘記である。
はみぱんマンの人気は衰えると言う言葉を知らずにいた。
日本の政府がはみぱんマンをバックアップ。日本だけに留まらず世界中へ輸出されたはみぱんマンは、マスメディア界に於ける数々のギネス記録を塗り替えていった。
最大瞬間視聴率100%なんて当たり前。視聴率100%最長持続時間は112分(二時間スペシャルの時だったのだ)。映画化も決定し、実写版もすでに製作されているらしい。
すでにはみぱんマンは俺の手を離れ、神の存在になろうとしていた―――。
嗚呼、やっぱりはみぱんマンは最高だ。
テレビの中では、はみぱんマンが一生懸命動き回っている。
テレビをつけるだけで愛くるしいその姿を見れてしまう事には、七円ハムもビックリのお手軽さだ。
俺はため息をついた。
万人の支持を得たはみぱんマン。世界中の市民権を得てしまったはみぱんマン。うれしいことだが、悲しくもある。
なぜならそれは、俺の愛が、届きにくくなってしまったから―――。
こんなにもはみぱんマンを愛しているのに、後からやってきたファンが全てを飲み込んでしまう!
ファン層が老若男女日本人外人問わずに広がったために、グッズなどの多様化、ソレにより全てを集めようとしているコアなファンの財布を見事に痛めつけるのだ。
今まで発売されたグッズをすべて集めている俺の財布は、今やロンリー野口になっていた。
悲しみでテレビ画面がぼやけている。だけど気にしない。俺には心の眼があるから。
『はっみむっめもー。俺様すっごーい悪いこと考えちゃったもんね』
『それはなぁに、はみきんマン?』
『聞いて驚くなはみんちゃん。それはこの世のパンツをすべて奪ってしまうことなのだ!』
『そうなるとどうなるの!?』
『世界中の人々はパンツが穿けなくなってしまう、つまり股がスースーしてしまうということだ。するとスースーした股にイライラしてしまい、やがてそれはストレスとなり、徐々に蓄積されるストレスは国家をも揺るがすものになるのだ! そこで俺様が救世主と言わんばかりにパンツを提供してやる。そうすれば皆俺様についてくるようになるのだ!』
『きゃー、はみきんまんすっごーい。かっこいー。(そうなれば、きっとしょくはみマン様が私のものに)』
『それじゃあ行くぞー! 手始めにはみおじさんのパンツ工場を潰しに行くぞ!』
『おー!』
いったんCMに入る。
俺は感動していた。思わずたくあんを十本食べてしまうほどの感動を覚えた。
はみぱんマンは主役も去ることながらサブキャラも素晴らしい。
やはりなんと言ってもはみきんマン。あんな奇抜で大胆な作戦、凡人には誰も思いつかない。
しかし、はみぱんマンの全ての良さを理解しているのは俺だけだ。
後付けファンたちには解らない、はみぱんマンたちの一喜一憂一言半句の重み、些細な動きに甘美を覚えるのは本物のファンにしかありえないはずなのだ。
それを同等のように扱われるのはとても屈辱。なにか挽回できるものがあれば―――。
『ここで視聴者に特大プレゼント!』
視線がテレビに向けられれる。
『なんと暴楽園遊園地のはみぱんマンショーのペアチケットを二名様にプレゼント!』
暴楽園遊園地はみぱんマンショーチケット(単価千五百円)、それはオークションに出れば億単位は下らない代物! 十五年先まで予約が埋まっているという、伝説のチケットをプレゼントだと!?
『このビッグプレゼントの当選方法はクイズです。この番号に電話して頂いて、こちらの受話器へ掛かってきた方が一次当選となります。そしてその後はみパンマンに関するクイズを出題し、見事正解したならば――ー』
俺は途中から番組を聞かずに受話器を手にしていた。テレビに表示された番号を打ち込んでいく。
後にゴッドハンドと呼ばれたスピードで打ち込み終わった俺は、プルルルと言う電子音を聞きながら、その時を待っていた―――。
『さぁ、では抽選スタートです! さっそく電話が繋がりました』
お姉さんが受話器をとった。その瞬間、俺の電話が何かに繋がった。お姉さんの声が鮮明に俺の耳に届く。
『こんにちは。お名前をどうぞ』
『ず、頭野雨梨です』
『頭野雨梨さんですね。一次当選おめでとうございます。それでは今から問題を発表させていただきます。心の準備はよろしいですか?』
『はいっ』
『では問題です。はみぱんマン記念すべき第一からはみぱんマンが穿いていたパンツは、その時から色は白と決まっています。しかし第782話『はみきんマンと謎の液体』では、なぜかはみぱんマンのパンツの色が緑色になってしまいました。それはどんな理由によることでしょうか?』
俺は記憶をさかのぼっていた。全て鮮明に覚えているはみぱんマンの映像、音声。第782話、覚えている覚えている。一字一句間違うことなく全てを暗唱できる。
俺にはあまりにも簡単すぎる答え。答えを知らない無知なファンたちへの見せしめとなるだろう。
『第782話、それははみきんマンが古い文献を見つけたことから始まった。その本には全てを縮小させることができる青色の物質のことが書かれていた。文献を元に液体を製作したはみきんマンは、はみぱんマンとの戦闘時、それをはみぱんマンのパンツに染み込ませた。するとパンツは見る見るうちに縮み、ズボンに隠れてしまったのだ。はみぱんでなくなってしまったはみぱんマンは一度はみきんマンの前に破れる。満身創痍で工場へ戻ったはみぱんマンはパンツを取り替えようとするが、縮小してしまったパンツはきつく脱ぐことが出来なくなってしまった。これは液体の能力を緩和させるしかないと考えたはみこさん。はみこさんは山越え谷越え、必死の探索によって液体の効力を中和するする液体を発明する。それは黄色の液体で、パンツに振り掛けるとあら不思議、パンツはあっという間に元の大きさに戻ったのだ。そして青と黄色が混ざったことにより緑色になったパンツ。その姿ではみきんマンの寝起きを襲い、そして見事に勝利を収めたのである』
『すごい! 頭野雨梨さん大正解です! おめでとうございます!』
こうして俺は、歓喜と賞賛の中、暴楽園はみぱんマンショーチケットを手に入れた―――。
数日後―――。
俺は感動で震えていた。涙で眼前が見えなくなっていた。でも大丈夫。俺にはEye Of Heartがあるから。
暴落円遊園地はみぱんマンショーペアチケット入手した。
ペアチケット。ペアチケット。
もう誰と行くかは決まっている。『河居 杉(かわいすぎ)』ちゃんを誘うしかない。誘わなくちゃ漢ぢゃない。
いざ往かん、漢の路へっ!
その前に俺はテレビの天気予報を確認した。
なるほど、今日の天気は快晴時々嵐らしい。
しかし今の俺は無敵。何者がかかってこようと全てを打ち砕く力を秘めている!
俺は外に出る今や、友となっている自転車にまたがった。
軽快にペダルを踏み込んでいく。素晴らしい天気だ。素晴らしいスピードだ。全てが俺を祝福している。全ての幸福がここにあるに違いないとすら思わせる。
目の前に犬が歩いていた。一目で野良犬とわかる犬に近づき、この祝福を分かち合って欲しくて、しっぽりと微笑みかけた。
ついでに沢庵もあげた。
すると犬は潤んだ瞳をさらに潤ませて、遠吠えのような声をあげつつ去って行った。
そうかそうか。感動したか。
俺は自転車を漕ぎつづける。工事中だからって何のその。
まだ工事の途中だったが、俺は思わず工事を全て終わらせて通過した。
踏切だって何のその。
思わず電車と正面衝突したが、俺は爽やかにその場を通過した。
山があろうと何のその。
国立公園として指定されていたが、俺は思わず木を全て伐採して売りさばいてその場を通過した。
目の前に猫が歩いていた。一目で野良猫とわかる猫に近づき、この感動を分かち合って欲しくて、ほっそりと微笑みかけた。
ついでに沢庵(たくあん)もあげた。
すると猫は逆立っていた毛をさらに逆立たせ、奇声をあげて去って行った。
そうかそうか。そんなに嬉しかったのか。
爽やかな陽気はいつまでも続くものと思っていた。このまま河居杉の家に着いて、デートに誘って、成り行きで付き合う事になって、見事にゴールインして、ハネムーンはグァムで、お土産はピよこまんじゅうで、その一年後に双子が生まれて、さらに二年後にまた一人生まれて、だけど双子の兄が病気がちだったので死んでしまって、その悲しみを乗り越えるために家族で旅に出て、さらにそこで一人の子供を儲け、極寒の地北極で白夜を体験して、それで生涯の幕を閉じると言う人生も、当然の事だと思っていた。
ピシャゴロローンッ!!!!
そんな幻想を打ち砕くかのように、いきなり雷が前方一メートルに落下した。
空に雲が現れ始めている。どす黒い雲は明るい空を一瞬にして覆い尽した。
ふ、何をいきり立っている空よ。今はお前ですら俺を止められぬ。
しかしそれは本当の嵐の前兆でしかなかったようだ。
目の前に『場家 巣儀瑠(ばかすぎる)』、俺の永遠のライバルがチャリンコに乗って目の前を走っていた。
目の前を走られるのはむかつく。俺は追い抜いてやると同時に奴を見やった。
俺は驚愕で目が弾けとんだ。でも大丈夫。俺には心の(以下略)
ヤツの胸元のポケットにソレはあった。
これ見よがしに放り込まれている二枚の紙。後光を放つ暴楽園遊園地ペアチケットが!
なるほど。俺は全てを理解した。あいつはあの番組でペアチケットを手に入れたもう片方の人物。
そして、この方向に向かっているということは、あいつも河居杉にデートを申し込もうとしている!
やつも一瞬でそのことを察知したらしい。俺たちはペダルを漕ぐスピードを上げながらにらみ合った。
火花が散った。数千億ボルトに達したその火花は龍の形になり空に上ると、ついに空は暴れだし、雷雲と共に雨風が狂暴な悪魔へと化した。
天気予報はこれを察知していたのか。しかし予報は外れる、なぜなら、この嵐は長期に渡り起こりつづけるからだ。
俺たちは加速してく。車なんて紙くず同然。小指指一本で全てを吹き飛ばし、やがて音速を超え衝撃波を繰り出しながら突き進んでいく。
奴も腕を上げた。流石俺のライバルだけある。
昔は車に負けていた。あの化け物機械にすべてを蹂躙されていた。しかし俺達は違う。自分の足で前へと進んで、突き進んでいく術を身につけていた。
技能面ではヤツと俺は同等。
だが俺は負けない。長年の研究の末、究極の技を編み出したのだ!
必殺、黄色いランデブー!
その呪文と共に、ヤツの目の前に黄色いバナナの皮が現れた。
突然出現したそれをよけることが出来ずに、ヤツはスピン。バランスを失い、電信柱(のでっぱり)に十回ほど衝突した後戦線離脱した。
はっ、俺の勝ちだ。出直して来いこの阿呆。
俺が余裕をぶっこいていると、突然目の前に竜巻が現れた。
――俺はやられたが、貴様にも行かせん――
この声はヤツの声! あやつ、こんな技を習得していたとは!
急ブレーキに急ハンドル。しかし俺の技能をもってしても竜巻を避ける事は出来なかった。
俺は竜巻に飲み込まれた。
俺は冷静さを失わない。視界はゼロに等しいけど、俺には(全略)
見つけた!
唯一の攻略ポイント、あの一点を目指せば、竜巻を粉砕できる!
俺はペダルを踏む。チャリンコが唸りを上げる。音速など遥かに超え、光速をとらえようとしていた。
カッ! 光速を越えた瞬間、俺は竜巻から脱出した。
甘かったな場家巣儀瑠。竜巻なんぞ俺の前には無力も同然さ。
竜巻を脱出、開放感に満ちあふれていた俺の前に現れたのは、視界いっぱいに広がる真っ青な空。
そうか、空も祝福してくれるのか。
俺は着地を決めるため、地面を確認しようと下を見た。
……?? あれれ、地面がない。全部空だ。
その空に、船が浮かんでいるのを確認して、実は空の半分は海だったということが判明し、
竜巻はあんな短時間でこんな距離を移動したのかっと絶叫しつつ、
自転車を漕ぎ、空を飛ぶと言う基本中の基本すら忘れて、
なす術もなく、俺は海へと落ちていった。
運良く漁船に拾われ日本に帰ってきたのは、すでに暴楽園遊園地はみぱんマンショーチケットの有効期日をとっくに過ぎた後だった。
濡れないように護り抜いたチケットを片手に、岐路に着いていた。
暴楽園遊園地に行けなくなってしまった。河居杉もデートに誘えなかった。
悲しみは有ったが、しかし俺は冷静だった。
「すいませーん、この期日切れのチケット、一千万円で買いませんか?」
翌日、求めていた倍の値段、二千万キャッシュでそのチケットが売れ(ペアチケットだったけど片方はコレクションのために残しておいて)、俺は更にはみぱんマンマスターへの道を極めることとなる。
余談だが、ヤツは俺の黄色いランデブーのせいで、全治五ヶ月の怪我を負ったらしい。
HR
おぉおおっと……オチが甘いですねェ……。
序盤に力入れすぎました。すいません。後半へたれです。
チャリンコよりはみぱんマンのほうがネタにしやすいからなぁ……。
キリ番小説、こんなんでましたー。
長い間お待たせしました。
苦笑でもしていただいたのなら、これ幸いです。
次回予告。
チャリンコ奮闘記。
その名に恥じてしまうほど、俺ははみぱんマンに熱を上げていた。
グッズと言うグッズ、知識と言う知識を詰め込んだ俺は、まさにはみぱんマンマスターと呼ばれるに相応しい人物になっていた。
すると、俺の元に一通の手紙が届く。
それは、全世界はみぱんマン王選手権への参加通知だった―――。
TO BE CONTINUE……???
続かないと思ってくれないとどうしようもありません。
2005年3月26日
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