消しゴム

 

 

 俺様は消しゴム。字を消すために生まれてきたゴムって奴だ。

 一番スタンダートなのは白人並みの白いボディーに軽量素材紙のスーツ。いかした俺様の一番の悩みは、体のひび割れだ。

 俺様は大いに活用されている。知らない奴などいない、それほど人気者。最近ではまとまるものや練るものなどにもイメチェンをしているおかげで知名度の幅は広い。

 俺様がいなくて困っている奴を死ぬほど見てきた。そういう言う奴に限って、俺様の存在をないがしろにし、床に落とし『無くした』とか言ってわめくのだ。

 自業自得。俺様を甘く見た結果だ。

 無敵に見える俺様でも当然ライバルがいる。

 それは修正液だ。最近では修正テープなどもあるらしく、そいつらの勢力拡大を危惧している。

 奴らを敵対する俺様だが、奴らにも認めるべき点がある。それは我が大敵ボールペンシルへの対応だ。奴らはそれの除去を生業としている。癪に障るが、これはこちらの完全敗退だ。

 ただし黒鉛除去に対する勢力はまだこちらがほとんど占めている。これが覆ることはほとんどないと思っていいだろう。

 なんと言っても奴はお高く止まっていて、庶民を毛嫌いしているのだ。それに比べて俺様は庶民にも愛される位を保っており、ワンコインで複数個。そこがまだ俺様が安心している理由だ。

 先ほどまとまるものや練るものにイメチェンすると言ったが、レパートリーはそれだけじゃない。

 野茂よろしくNOMOになってみたり、ロケットになってみたり、いい香りを発してみたり、動物に擬態してみたり、レパートリーは数え切れないほどだ。

 その中での俺様の最終形態は28個も角がある風に変形したものだ。俺様の角っぽい所に惚れた連中が多く、ついに俺様はこんな形になってみたのさ。

 だが、俺様は角張った所以上に、丸い所もあるんだって、みんな覚えておいてくれ。

 それと、消せるのは文字だけだ。恥ずかしい思い出なんてのは埒外だぜ。

 おっと、またお呼びがかかったようだ。

 俺様は旅に出る。また会おう。

 

 

 

 

HR

 

  …………………………………………何これ。

勢いのみで作成。ふと目にした消しゴムを見て書いてしまったもの。

……何これ。

 

 

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