First Day
彼は針を落とした以上の音を出さないよう慎重に、闇の中ゆっくりとドアを開けて家に忍び込む。忍び込む、と言っても、空き巣に入るわけではない。ここは正真正銘、彼――和良達巳――の家だ。
ならばなぜこんな泥棒まがいの事をしなくてはならないのか。
理由は簡単だ。彼が鍵を開ける前に、ドアが開いていたから。一人暮らしをしている彼にとって、まさに緊急事態であった。
ドアを閉めて、まずはあたりを見渡す。
すぐ右手には二階への階段。階段はLの字になっていて、吹き抜けを囲むように作られている。二階には彼の部屋と、簡素な物置。一階には、すぐ左手にダイニングキッチン。奥の左手には洗面所とお風呂。突き当たりにトイレで、奥の右手には元両親の部屋がある。
玄関に異変は無かった。木で作られた安っぽい下駄箱が物色された気配も無ければ、家に土足で上がられた形跡も無い。なにか家の中に変化があるはずだと視線を巡らせ、それは案外簡単に見つかった。
リビングの電気がついていた。なるほど、だから夜なのに周りの状況が解かったのか。
「あれ?」
小さく呟いて、さらに違うところを見つけた。下に視線を落とすと一足だけ靴が増えていた。サイズは24。彼が持っている靴の中にそんなものはない。その前に、サイズとデザインが女性のものだ。基調は白。いや、真っ白。その靴が丁寧に並べられている。
――律儀な泥棒。
普通はすぐ逃げられるような対策をとるべきではないのだろうか? 靴を履いたりして、人が入ってきてもすぐ逃げられるように逃走経路は確保しておくべきだと思う。
全くの素人にでさえ解かるようなことを実行していない泥棒なんて高が知れてる。武器さえ持っていなければとっつかまえてしまおうと、達巳は忍び足でリビングへ向かった。
リビング入口の前で一つ息を置いて、ばっと飛び込んだ。
獲物を見つける鷹のように首を回し、人影を探す。
しかし、そこには誰もいなかった。一階のすべての部屋を見回り、二階の部屋も確認したのだが、すべての部屋はいつもと変わらぬ静けさで彼を迎えた。
不審者を探すついでに、家の中の変化も探ってみたのだが、荒らされた様子なんて全くない。通帳が入れてある引出しの中を見てみたが、やっぱりいつも通り。
「まぁ、何もないなら、それはそれで構わないけど」
彼は独りごちる。何もないのは嬉しいのだけど、どうも腑に落ちない。朝リビングの電気を消し忘れ、玄関を閉め忘れたのか。五年以上この生活をしていたのだから慣れたと思ったのだけど、慣れが仇となったのか。これからは気を付けないといけない。
自分を叱咤したところで夕飯の準備を始める。準備と言っても、昨日炊いたご飯をレンジで温めて、あと適当に一品付け加えるだけ。確かジャガイモが大売出し中だから、マッシュドポテトかてんぷらを作ろうと考えながら、キッチンの方へ一歩踏み出して、
ぎゅむ。
変な感触を味わった。
できれば下を見たくない。むしろ見たくない。いや、絶対に見たくない。
おれは一体、何を踏んでいる?
靴下越しなので詳しいことは解からないが、こんにゃくのような感触……だけどこれは違う。生き物独特の柔らかさ、そして温さ。もしかして、ねずみを踏んだとか。
見たくない。雲のように白い靴下が、夕日のような色に染め上げられている所なんて。
やけくそ気味に、グリグリグリ、とツイストをかます。ねずみだったら血みどろになっているだろうけど気にしない。その後、顔は完全に明後日の方向を向かせたまま、足で二回ほどトントンっと踏んだ。
「にぁ」
下から声が上がった。驚いて視線を落とした。人がいた。彼と同じぐらいの歳であろう女性が、寝ぼけ眼で目をこすっている。
なんとなく、もう一度踏んでみたくなったので、踏む。
「……えい」
「えぅ」やはり声が上がる。
「…えい」もう一度。
「うゅ」
「えい」さらに。
「あうぅ」
「えい」最後。
今度は声があがらず、彼女はジェスチャーでやめろと伝えていた。踏んでいない方の手で一生懸命現場を指している。彼女が涙目になってきたので、さすがに罪悪感が生まれ、足をどかした。
彼女はさっと立ち上がる。彼はビクリとして臨戦体勢をとった。
彼女は彼のことを頭のてっぺんからつま先まで、何かを確認するようにじぃぃぃっと凝視していた。達巳も負けじと彼女を調査する。さっきの白い靴も彼女の物なのだろう。靴と同じように、彼女の服は全体的に白い。フレアスカートのワンピースで、丈はくるぶし辺りまである。今見える範囲で白くない所は、彼女の髪と、彼女の首に巻かれているネックレス。先に何が付いているのかは服に隠れているので解からない。
彼女は彼の顔を見て、軽く微笑んだ。―――つーか、可愛い。
「ごめんなさい。帰ってくるのが遅かったので眠ってしまいました」彼女は微苦笑を浮かべ、少し照れながら「本当は椅子で寝ていたはずなんですけど、落ちたらしいです」
「キミ、だれ?」
怪訝そうに顔をゆがめて、二、三歩間合いを開けて訊いた。
「キミは、泥棒?」
「違います違いますっ。わたしは決して怪しいものではありません」
そう言われても、はいそうですか、何ていうほど今の世は甘くない。値踏みするようにじとりとした視線を彼女に貼り付ける。
「じゃあ、何? その前にどうやって入った?」
「えっと、玄関を開けて」
「どうやって玄関を開けたの?」
「鍵を使って」
「どうやって鍵を入手したの?」
「あったからです」
「どこに鍵があった?」
「家の中。合鍵って言うんですよね」
「どうやって家に入った?」
「えっと、玄関を開けて」
「質問を大幅に変更するから少し待って」
質疑応答が袋小路にはまった。これを脱出すべく、新たな質問を考える。
「鍵が閉まっている状態で、どうやって中にあった合鍵を取り出すことができたの?」
「―――ええっと……この場合は何て……そうだ、魔法です」
「魔法?」
「はい。こっちではこの力のことをそう言うんですよね?」
知らない人が家にいて、魔法とかいう非現実的な話が持ち出され、厄介な事になったと心の中で頭を抱える。
「キミは……なんなんだ?」
彼女は待ってましたと言わんばかりにきりりっと彼の目の前に立ち、そして艶然と微笑みを向けた。
「わたしは、あなたに幸せを届けに来たんです」
「はぃ?」
達巳の表情は最悪なほど情けない顔になっている。
「わたしは天使なんです」
ゆっくりと、その言葉を噛み締める。天使とは、神の国の使いとか、そんな類いのものか? エンジェルとか言われているもので、そんなもの現実に居ないはず。しかし病院には白衣の天使というものもいるから――――
この時ほど、警察に通報するか否かを悩んだ時は無いと思った。
天使云々はともかく、しかし――これはやはり不法侵入になる。
「へぇ……悪いけど、下らない冗談に付き合うほどおれも暇じゃないんで」
言いながら、電話の子機をとった。
「達巳さん待ってくださいっ」あまりにも素早い動きで彼から子機をひったくって「本当です。信じてもらえませんか?」
「無理だろ、普通」
子機を取られ虚空を掴んでいる手の対処に困り、なんて殺生なとでも言いたさ気な視線を向けられ、さらに対処に困る。たちの悪い泥棒だ。女の子じゃなかったら殴る蹴るの暴行を加えた上で路上にたたきつけてやるのに。
「じゃあ、どうすれば信じてくれますか?」
「キミが天使だってこと?」
「はい」
達巳は顎に手を当てて考える。天使というものには、何がある?
「羽とかあるの?」
「ありますよ。あ、それを見せれば信じてくれますか?」
「え…ちょ――」
彼女が子機を置いた次の瞬間、突然だった。雪のように白いものが、ゆっくり、やけに鮮明に、空間に広がってゆく。
「………これで、信じてくれますか?」
圧巻。その一言だけでこれは片付く。
彼女の背中から生えたソレ。部屋いっぱいに伸びた羽は、これは雪の色ではない、星の輝きのような色をしていた。幾千万光年も離れた所からのびる光のように、人々を見せつける力が在る。部屋の中に、もう一つの灯火ができたみたいに部屋は輝いていた。すらりとのびきり、全長は六メートルほどか。こんなに大きいのに、こんなに美しいのに、その真ん中に在る彼女の存在を打ち消していない、むしろ引き立てているのは何故だろう。
「……いやぁ、まて。取り付けた可能性もあるからな」彼女をじっと見ると、何となく戸惑っているように見える。「えっとほら、さっき言ってた魔法っての、見せてよ」
「魔法……ですか?」
部屋いっぱいに広がっていた羽がしゅるしゅると縮んでゆく。背中に隠れるまでに小さくなると、ぱっとどこかに消えた。
どうやら、収容可能らしい。
「そうそう。いや、もうほとんど信じてるんだけど、なんというか、最終確認みたいな」
「解かりました。えぇと……物体浮遊は小さいものじゃないとできませんし……この世界ではかなり制限されてますし……攻撃魔法とかを普通に使えれば簡単なんですけどね……。そうだ、達巳さん、わたしのこと思い切り殴ってくれませんか?」
はたと、あることに気付く。
「―――キミ、なんでおれの名前知ってるんだ?」
「さっきも一回呼びましたけど?」
「それも魔法か?」
「そうじゃありませんよ。一応対象者のことはある程度調べましたからね」
対象者、という言葉に引っかかったが、その前に気になることがある。
「どれぐらい知ってるんだ? プライベートな事は……」過去にやましい事があるわけではないが、一応。
「深くまで知りませんよ。住所、氏名、年齢、性別、誕生日、血液型、通っている学校、などなど、調べればすぐ解かるようなことしか知りません」
「ならいいけどね」
「そう、調べたんですけど、誕生日が一緒なんですよ」
「え? 一緒ってことは十月……十六日?」
「はい。その時に十七歳になるんです」
「あ、じゃあ今は十六歳なんだ」
「達巳さんと一緒ですね」
今まで生きてきて、誕生日が一緒の人は初めてです、と付け加えた。
「おれも初めて。意外にいるもんなんだね」
「それでは、奇遇な出会いをしたところで、わたしを殴ってくれませんか?」
「それは非常に嫌な出会いだと思う」
話が元に戻る。それよりも――。
「おれの良心が止めてるんだけど」
「さっき手を踏んだじゃないですか」
彼女は達巳をねめつけた。そうとう根に持っているに違いない。
これは折れないと思った彼は、しぶしぶ承諾する。
「わかった。だけど文句言うなよ」
「はい」
自慢ではないけど腕の筋肉はほとんど無い。握力だって四十そこそこだ。体力と脚力には自信があるのだが。
彼は振りかぶって、思いっきり(と言ってもやっぱり手加減気味に)殴った。
彼は目、いや、自分の拳を疑った。拳の勢いは彼女の目の前で止まった。力が消えた。地球上に起こり得る事象を完全に無視した現象が目の前で起きているのだ。
―――と思ったら。
「がふっ!」
右顎に突然衝撃が来た。右顎は、彼が彼女を殴る時に狙っていたところ。
「カウンターです。自分に向けられた攻撃をそのまま返せるんです。自分の欲のために使わない限り、どんなことにも使えます……って、あぁっ!」
――なるほどな……ということは、なかなかキレのあるパンチを放ったじゃないか……自分……。
「達巳さんっ! 達巳さんっ!」
彼女が彼の名を呼び叫ぶ中、意識は完全にぶっ飛んだ。
「つまり、これは昇進試験ってことか?」
「はい。小天使から聖天使になるための試験なんです」
目覚めたのはあれからきっかり一時間後。見事にコークスクリューが彼の右顎に決まり、軽い脳震盪を起こしたらしい。今さっき気付いたのだが、右手にも殴った感触が残っている。作用反作用の関係はどうやっても消えないということがわかった。
もう彼女が天使であると言うことは認めていた。まだ違和感を覚えるところも多々あるのだが、羽を見せられ、見事なカウンターを喰らわされ、彼の思考回路内では、認める以外の道が封鎖されたのだ。
彼がイっていた間に、彼女はご飯を作っていた。今はその料理を、二人でダイニングキッチンの中央に添えられたテーブルを囲んで食べている。
ぶりの照り焼きに、一切煮崩れしていない肉じゃが、かつおだしが利いた大根と豆腐の味噌汁。これが家庭の味と言うのであろう。彼も作ろうと思えば作れるが、どうしても手間がかかりすぎる。だからこういう料理は休日にしか作れないのだ。この料理、味もなかなかの物なので、久しぶりの人の料理に感動しながら、詳しい話を聞いていた。
彼女がここに来た理由は、卒業試験の課題のため。
彼女が住んでいた場所は天上世界というところで、ここと別空間に存在している、つまりパラレルワールドらしい。天上世界に住んでいる人たちは全員天使というわけではなくて、天使と言うのは一種の職業なのだそうだ。といっても、天上世界での職業は生まれたときから決まっているので、誰でもなれるものではない。そういうわけで、天使の特別学校がある。日本とは少し違い、一年だけ多く十年制度だそうだ。でも始まる年齢は一緒。始まる時期が四月ではなく、三ヶ月前の一月から始まるというのも相違点だ。それで、毎年十月に行われるその学校での卒業試験――。
「卒業試験の内容は、地上世界の人間を幸せにすること。合格の基準は、試験最終日に心から『ありがとう』と言ってもらうことです。思ったより簡単そうなんですけどね……成功率が低いんです」
試験期間は一ヶ月。始まりは今日、十月一日で、十月三十一日までが試験期間。
「成功率は十パーセントぐらいです。年に一回実施されるんで、毎年受けている人もいます。でも諦めて普通の天上人として暮らす人もいます。そうなってしまう可能性は二十パーセント……と、結構高いんですよ。その中で地上に降りて暮らしている人も居るらしいですけど」
毎年、受ける人数は二千人前後。この時期は地球の人口が二千人増加することになる。
天使にはもちろん男女ともにいる。容姿は抜群、性格も上々、何より家事一般などの基礎能力をすべて身につけているというのだから驚きだ。
「まぁ、とりあえず、おれを幸せにしに来たんだな」
じっくりと相手の表情を見据え、一言一言確認しながら情報を繰り返す。
「はい」
「期間は一ヶ月なんだよな」
「はい」
「ここに泊り込みになるんだよな」
「はい。今回の試験ではそれが決まりとなっていますから」
躊躇わずに、玄関の方向を指差した。
「帰れ」
「えぇ! どうしてですかっ?」
味噌汁をすすり、それから理由を返す。
「うちは一人暮らしだ。女の子と一緒に住むわけには行かないよ。それに、キミを養えるようなお金もない」
前者は無理強いすれば何とかなる条件だ。部屋を別々にすればいいだけのことだし、そこまで彼も男として堕ちていないから。だけど、後者はどうにもならない。アルバイトをしていると言っても、月給十万弱の世界だ。家賃を払う必要性は無いので一人ならば意外とやっていけるのだが、二人となるとさすがに厳しい。
「大丈夫ですよ。わたし自身のお金は、ここ一年間少しずつ働いてお金をためたんで、心配はないです。足りなくなったらまた少し稼いできますし」
「そういう問題じゃないだろ? ……いや、そういう問題か」目尻にしわを寄せて少し考えてから「でも、ほら、男女が一つ屋根の下に住むなんてダメだろ? おれも一応男だし。そんなことする気は無いけどさ、もしもってことが有るだろ? ……ないよな、普通」
彼女は箸をとめ、机の上において、思考の回転が遅い彼を見ながら、呟いた。
「―――達巳さん、あなたはわたしに野宿しろとおっしゃるんですね」
軽く俯いて、悲しそうに。目にはうすらと涙が浮かんでいる。
彼は「うっ」をうめいて彼女を見た。哀願するような目線が、深々と彼の目に注がれている。
最強の、反則技だ。
初めはその眼を見ていられたが徐々に辛くなっていき、ややあって腹の底から嘆息を吐き出した。
炊事洗濯家事一般をやってくれる人ができたと思えばいいのだ。多少は問題があるが仕方がない。
「解かった……一ヶ月だったよな、それぐらいだったら了承するよ」
「本当ですか。よかったぁ」
一変、満面の笑み。その笑みを見て、彼はただ後悔の渦に沈んでゆく。
そうだとは、思っていたのだけれど。
「どうしました? ご飯、美味しくないですか?」
苦笑していた彼に、心配そうに彼女。
「いやいや、ご飯はめっちゃ美味い。三ツ星レストランのシェフも顔負けだな」
「そうですか? よかったです」
屈託なく笑んでいる彼女を見ながら、ふと気になった。
「なあ、一つ気になったんだけど」
「なんですか?」
「その天上界ってところでは、公用語が日本語なの?」
「違いますよ。この地上世界では使われていない言葉が公用語です」
すんなり納得。でももう一つ疑問が生じる。
「じゃあどうして日本語を使えるの?」
「今回の試験、わたしは日本で行うことになったので、日本語を覚えたんです。天使は言葉を覚えるのが早いんですよ」
「へぇ……」
日本人が英語を覚える感覚で、彼女は日本語を覚えたと言うのか。ここまで流暢に話しているのだから、幼少の頃から日本語を覚えさせられたんだろうな、と思ったのだが。
「一ヶ月ですね。当り障り無いぐらいになるには」
相当スパルタなんだろうな、と思ったのだが。
「一日六時間で、一週間。それぐらいやるとコミュニケーションが取れるようになって、そのあとは毎日学校で日本語を使っていました。家族にも日本語が使える人がいたんで、もっと楽でした。でも四字熟語とかは苦手ですね……他の小難しい表現とか」
自分もそんな境遇に置かれたら英語が得意になるんだろうか。それは否、一日六時間で一週間やったって、自分には無理だろう。
天使は素晴らしい特性を持っているもんだと勝手に感心しながら、また料理に手を伸ばす。
「そうだ、きみ、名前は?」
すっかり忘れていたが、まだ名前を聞いていない。自分の名だけ知られていて、相手の名を知らないのは気味が悪い。
少しはにかみながら、彼女は言った。
「はわり、ゆきあ、です」
「どう書くの?」
「えっとですね、羽に、料理の理、幸せ、天使の天です」
「羽理、幸天? 羽理……変わった苗字だね」
「昔お姉ちゃんが試験していたとき、苗字が羽理だったんです。だから、いっしょの方がいいと思いまして」
地上では地上の名前をつける。天上界で使っていた名前だと、あまりにも違和感があるからだ。もちろん変えない人もいるが、それは少数派。
「本当はどんな名前だったの?」
「ミリ――ミリ・ホウェイル・サファルです」
「確かに、地上じゃ使いづらいよな」
「ですから、新しい名前をつけなくてはならなくて、どうせつけるんだったら変わった名前にしようと思って、名前をつけたんですよ」
「幸せに天ねぇ……ま、確かに天使らしい名前だよな。いい名前だし」
幸天は名前を褒められた事に照れながら嬉々としている。こういうところをみると、やはり天上人も普通の人間であり、幸天も普通の女の子なのだろう。
「それでは、自己紹介です」
彼女は、改まって彼を見た。彼も、改まって彼女を見る。
「わたしの名前は羽理幸天です。よろしくお願いします、達巳さん」
「おれも自己紹介。おれの名前は和良達巳。よろしく、幸天」
HR(独り言ルーム)
目標は、ラストで一人泣かせること。つまりオレが(あまりの不出来さに泣く(爆))
ちなみに、この一話目には伏線がごっちゃり入っています。いくつ見つけられるかな?
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||