通し番号5
067.かげろうにたそがれて
私は小説を書いていた。
もとの世界に戻るため、光とクロは、赤の町へと進む。
「うわー、何ここ!」
光は驚きの喚声を上げた。
クロと光は、赤の町へとやってきていた。光が元の世界に戻るための情報収集のためだ。
光が別の世界から来たことを説明するのには結構な手間がかかった。
光自信、経緯を詳しく説明できないし、間を繋ぐ為に「あー」とか、「えー」とか言っていたら、ますますクロは険しい表情になるし。
でも、何とかクロが理解すると、クロは「じゃあ、まずは情報収集だな」と、赤の町に連れてきてくれたのだ。
「そんなにおかしいか?」
「うんうん、凄いよ!」
まず、町を囲う壁が赤だった。ついでに土も赤だった。家も赤いし煙突も赤いし、そこから出ている煙ですら赤い。人も赤い。どれだけ赤いかと言うと、髪も目も服も靴もとにかく赤い。
肌だけは赤くないようだったが、なぜか皆一生懸命に、顔を真っ赤にしながら動き回っていた。
光は空を見上げた。さっきまで黄色かった空が、だいだい色になっている。
「ねぇ、光」
「ん? なぁに?」
「君の身体も赤くなってるよ?」
「え?」
慌てて、光は身体をくねらせながら、全身を見回した。
クロの言うとおり、服や髪や、全身がほんのりと赤い色をしているのだ!
「変わった体してるんだな、光は」
「ほんとだね。僕もビックリだよ。どうしてこうなったんだろう?」
理由はよく解らないが、とりあえず、二人は町一番の物知りである、町の長老に会いに行くことにした。
HR
Q、題名と内容に、何か関連性がありますか?
A、有ると思いますか?
戻る。
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